「元外国人児童生徒だった日本語教師のお話」をして参りました
先日のこととなりますが、以前に研修でお知り合いになった学校にお勤めで日本語指導をご担当の先生からお声がけを頂き、講話をさせて頂きました。とてもとてもありがたいことです。
千葉県のとある市内で小中学校にて日本語指導に当たられている先生方向けに、「元外国人児童生徒等だった日本語教師のお話」と題しまして、
・私の生い立ちと現在のお仕事
・来日した子どもや保護者たちが戸惑うこと
・間違いやすい日本語
・やってみよう!「やさしい日本語」
について、お話をさせて頂きました。
かなりボリュームのある内容をこじんまりとした雰囲気の中、質疑応答やワークショップなど含め、2時間かけて行いました。
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先生方は皆とても熱心にお話を聞いてくださっておりました。
特に、日本の学校生活がわからない保護者に対してのコミュニケーションの取り方や連絡事項の伝え方、高校進学についての説明の仕方などについて、より良い対処方法はないかご関心があるように思えました。
そしてその関心の高さから伺えたことは、やはり子どもにとって生活面や学習面での親の関わりやフォローは大切なことであり、必要なことなのだと思いました。外国人保護者にとって、自国と違う日本の学校習慣は完全な未知なる世界です。外国人保護者の方々にも、日本の学校のことについて知ることができる機会や同じ学校の保護者同士の交流の機会が増えたらなと思いました。
これは別の研修に参加していた際に、受講者の方からのご意見だったのですが、とてもいい考えだったので是非ともご紹介をさせて頂き、広めていきたいと思います。
★PTA活動の一つに「多文化担当」を設けてみる
大学などで先輩学生が新入生に対して行うチューター制度や先輩社員が新入社員とマンツーマンになってサポートのようなイメージです。
新しく学校に入って来た外国人児童生徒等の保護者に対して、同じ学校の保護者がいろいろと準備するものや学校生活について、説明やアドバイスをしてあげる。その方が、先輩外国人保護者であっても良いと思いますし、外国の方と交流を持ちたい日本人保護者でも良いと思います。
そのようなサポート制度があったら両方にとって新しい発見や新たな絆ができるのではと思います。
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この他に、先日の講話では、子どもの日本語指導方法について、来日したばかりの児童のご指導に当たっている先生からの感想で、
お話を聞く前は、「あいうえお」などの文字指導がまずは必要であると思っていたが、お話の中で『工作を作るのに友達に「かして」と言えずに困っていた』というのを聞き、子どもにとってまず必要なのは文字ではなく、日々の学校生活ですぐに使える言葉(「かして」「いいよ、いやだ」)や友達と交流ができるような言葉(「いっしょにあそぼう」「まって」)などであり、それを教えた方が実用的で、そして子ども自身にとっても、話せた・通じたの体験がその後の言語学習意欲の向上にも繋がるのだと改めて気づかされた。
とのお言葉を頂きました。
友達に「かして」と言えずに困っていたのは、私自身の実体験であり、このことが実例となったことで、より先生方に身近に感じて頂けたこと、私も嬉しく思いました。
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このようなお話が先生方のお役に立ち、そしてそのことがに回りまわってご指導に当たられている外国人児童生徒等の子どもたちやその保護者にもプラスの効果が生まれて行けたらいいなと願うばかりです。